〈木曜日少年部クラス〉

蒼次朗君、本当に真面目だし、稽古は常に何でも全力投球する事が出来る。
いつも近くに来て、その時々の気持ちを真剣に話してくれるんだが、とても可愛らしい。

今日も全員が、2時間の稽古を最初から最後まで集中しきっていた。
空手を通じて、彼らの心身を成長させる事が仕事。
年間を通じて積み重ねていく物となる。
何事も一日にして成らず。

稽古。
徹底的に追い込んだ。
ようやく良い感じに戻りつつあるな。
今日はそれなりに納得のいく動きで、サンドバッグで追い込めた。
12月11日の稽古中に踝付近足首を脱臼していたんだが、最初の10日間くらいはそれなりに痛みがあり、靴下を履いたり、靴を履いたり脱いだりに時間を要してはいた。
当然ランニングでの追い込みは出来ていないし、組手稽古も控えてはいたんだけど、毎日のトレーニングは欠かしていない。
来週あたりから、軽めにランニングも再開出来ると良い。
レントゲン検査とMRI検査をしたところ、腓骨筋腱の脱臼みたいに話をされた。
しばらく水が溜まり腫れていて、今もまだ引っ掛かりはあるが、ようやく治る兆しを感じられた事が嬉しかった。
組手中に脱臼した瞬間には、多田君に組手を中断する事を謝り、サンドバッグでの打ち込み稽古へと切り替えた。
その後も度々、足首辺りがゴリッと音を立てて外れそうになり、それなりに痛みを伴う為、この日のスクワットは結局100キロしか担げなかったが、その他の稽古は最後まで通常通りにやった。
色々と多くの見直しをする事が大切だなと、気持ちを切り替えられた事をこの日の収穫とした。
【アドレナリンが出ているから、痛みは感じなかったんだけど、バリバリって音が鳴って急に力が抜けたから、骨折か脱臼だなと思う…悪いな将太朗、すまない…これ、試合前(2週間前の仕上げのタイミング)とかだったら終わってるな…】彼と、そんなやり取りをした。
その直後、すぐさまサンドバッグを叩いて蹴って追い込んでいた俺を見て、少し心配そうな様子で見守ってくれていた多田君。
【これ、病気だろう…普通やらないのかも知れないけど、昔から常にこんなだから、本当に頭おかしいんだと思うよ】と笑いながら、多田君に話しかけていた。
怪我の数日後には病院でレントゲンを取り、日を改めて今週はMRI検査をしたところ、予想していた通りの内容でもあったから、怪我をした瞬間は、もしかしたら年齢と共に骨が軟弱になっているのか?を、凄く心配になり懸念もしていたんだが、【骨自体は物凄い太さで…丈夫なはずですよ…】と、医師から聞かされて少し安心した。
靭帯が切れたりとかではなく、脱臼程度なら治るのも早いのかなと感じながら。
脱臼が癖にならないかを、多少気にしてはいるものの、今日の稽古の感触的に大丈夫かなと感じてはいる。
感覚的な部分での安堵感がなければ、さすがに今の気持ちで書いたりは出来ないし。
それよりも、それなりにまた全力で追い込めた事が嬉しい。
サンドバッグで追い込みをしていると、石河ローレンス君が(高校2年生)道場に稽古に来た。
昨日の稽古の疲労があるみたいだったが、彼は今日もきちんと道場に来て、真面目に稽古に取り組んだ。
彼の今後の進路についての話を聞きながら、一緒に稽古をした。
彼は自分自身をきちんと理解していて、物事を冷静に考えられているし、17歳とは思えないくらい、いざ行動力があり、とても立派だなと感じる。
俺が17歳の頃なんて、仕事はしたりしなかったりを転々と繰り返していたり、諸々、本当に路頭に迷っていた時期だし、毎日が本当に愚か者、大馬鹿者でしかなかった訳で、それも振り替えりながらも、今の彼はとても偉いなと思いながら感心していた。
8年前にフィリピンから日本に来て、東大和道場に空手体験に来て入会した、まだまだ幼かった彼が、今は逞しく成長してきていて、先々や将来の自分自身を見据えて、物事をきちんと自分で考えて、そこに向けて、強い意思で準備をしようと考えている事を凄く立派だなと。
今後も、ローレンス君を応援している。
稽古後、二人で大掃除の続きをして終了。
いつも以上に、互いに多くの話をしたと思う。