2025年12月27日、最後の全日本大会での試合を終えて、会場から階段を下りながら控え場所に戻り、長い年月をセコンドとして付き添いをしてくれた多田将太朗君、青木さんへと話し掛けた。
【終わりか…もう終わりで良いよな?将太朗…生きてたぞ…ああ…終了か…】
30年間の格闘技選手としての実戦を終えた充実感や達成感も勿論あったとは思うが、それよりも言葉に尽くし難い安堵感に熱い何かが込み上げたのを一生忘れないとは思う。
その瞬間に目頭が熱くなってはいた。
多田君、青木さんも同じ表情をしてくれていた。
数十年間の間に何度も何度も何度も本当に命を賭け続け、先々の事も含めて色々な物を全て覚悟して過ごしてきた事、その全てを乗り越えてやり尽くせたと。
試合を終えて 1ヶ月が経過した今も、毎日その時の気持ちが続いている。
そして、2017年から2025年の最後まで試合場に持ち運んでいた物の一つ。
2017年の【黒澤浩樹先生を偲ぶ会】で頂いたタオル。
今も新品のままにしてある。
黒澤先生には胸を張って会いに行ける。
最後までやり抜きましたと。
2026/1/28
金久保典幸

