極真空手 東大和道場 火曜日 佐野先生 編。【20年間の苦悩の末に…】

13:00 三茶にて朝練(組手稽古)、職員ミーティングを終える。

朝練と、職員ミーティングを終えて、事務所から道場へ降りると…

佐野先生が…後ろ前逆に、一生懸命にロングコートを装着している、後ろ姿を発見した……

『…何してるんですか?…それは…』と話し掛ける。

『…ああ、これ?隙間風が入らないように(バイクを運転する際に)…こうして着ると(後ろ前逆に)風が通らないし、寒くないんだ!…前までは、ガムテープで前を止めたりもしていたんだけど、やっぱり…ほんの、ちょっとの隙間から…冷たい風が入って来て、寒いからダメなんだよ…(ガムテープも)…20年前から悩んで来たんだから、本当に…』

『…そして、こうして、リュックを背負うと、ほら完了!(逆に着たコートが、はだける事も無い)』と、呟く佐野先生…

【後ろは、凄い…はみ出している…】と、感じたが…

…失礼ながらも、真剣に一人で、それらを装着をしている、後ろ姿を見付けてしまい…真面目に説明をされて、笑いを堪えられずに爆笑してしまった…

真剣な様子に、カメラを構えて良いものか、迷っていると…

『あら、撮らなくていいの?』と、佐野先生。

『何事も…人と同じ考えでは【佐野スペシャル】は生まれなかった…と、ブログに題しておいて!』

佐野スペシャルとは、佐野先生の必殺技であり(飛び上段廻し蹴り)…数々の極真の猛者達を、その一撃で気絶させながらも、実践の試合場で一本勝ちの山を築いてきた。

120キロ近い体重が宙を舞いながら、対戦相手の顔面や、側頭部、後頭部に巻き付く、その技は、プロレスの延髄蹴りにも似た様子もあるが…実際には本当に物凄く、スピードも速い。

まともに当たれば、完全に気絶を余儀無くされる。

過去には、三茶の一般部選手稽古でも、田口支部長が、佐野先生の【佐野スペシャル】を禁止にした程…実際に危険な技でもあり、稽古中に気絶をさせられたり、倒される選手達が、実際に沢山いた。

自分自身も昔…稽古中に、脳天に佐野先生の回転胴廻し蹴りを喰らい(佐野スペシャルとは、逆足の胴廻し回転蹴り)、舌を深く噛み切りながら流血した事も実際にあるが、幸い、その技で倒された事は無いが、気を抜くと、実際に気絶させられる危険な技でもあり、今も常に気は抜けないし、抜かない様にしている。

昔の佐野先生は、2分間の組手稽古の間に…5回も6回も…ビュンビュンと、物凄いスピードで本当に飛んでいた。(目の前で実際に、何人もの選手達が気絶させられたり、倒されている)

【佐野スペシャル】

と聞いて、色々と思い出していたが、そんな佐野先生は…20年の年月を掛けて…隙間風を凌ぐ為に…後ろ前を逆に…上着を着る技を編み出した…

『周りの人は見ないんですか?(後ろ前の、その様子を)…』と、真剣な気持ちで問い掛けた。

『バイクに乗っている時は大丈夫だけど、店に入ったりすると、二度見される事はあるかな!』そんな、回答が笑顔で…

真面目な笑顔で真剣に、何も飾る事も無く、いつも明るく立ち振る舞えるのが、佐野先生だが。

バイクを運転しながら、その姿で(後ろ前逆に着たロングコートと、リュックサック姿とマスク)会釈をしながら、交差点を通過して行った。

佐野先生の人柄を知る方々には、その様子が理解頂けるはずだ。

全て事実で、あの写真にも、やらせも狙いも無いが、佐野先生とは本当に、そんなユーモアのある人柄だ。